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オズマニック(加圧混練装置)について
八王子バイオマス・エコセンターでは、食物残渣と剪定枝チップ、オガクズ等を原料に堆肥を製造するための主要設備として、日本システム化研(株)が複数の特許技術を投入して開発したオズマニック(加圧混練装置)を導入しています。
1日に最大80トンという大量の食物残渣を処理できるこの装置は、東京都八王子市を中心とした多摩地区から排出される食物残渣(学校給食、食品工場、飲食店などから排出される食品廃棄物)を堆肥にリサイクルするための重要な装置です。
オズマニック(加圧混練装置)の処理の流れ
堆肥の原料となる食物残渣と剪定枝チップ、オガクズ等が、ホッパーに投入されると、自動的にオズマニック(加圧混練装置)に送られます。
原料の量、水分率などが一定になるように、オズマニック(加圧混練装置)の自動制御システムを設定します。
自動制御によってオズマニック(加圧混練装置)に送られた原料は、オズマニック(加圧混練装置)内部で加圧混練処理されます。
加圧混練処理されたあとはすでに食物残渣の姿はなく、薄い皮膜となって剪定枝チップ、オガクズ等をオブラート状に包まれます。この時点ですでに食物残渣独特の異臭はありません。オズマニック(加圧混練装置)から排出されたあと、自動制御でハーズコンポ(発酵攪拌機)へと送られます。
オズマニック(加圧混練装置)の技術と特徴
1.食物残渣の異臭をすばやく取り除く
搬入されるまでに時間を要した食物残渣は、そもそも異臭を放ちます。そのため、食物残渣を原料ホッパーに投入する受入場は、脱臭装置による脱臭や、出入口のシャッターと原料ホッパーのフタを極力閉じておくなどの運営上の悪臭対策により大幅に軽減しています。その後、投入した食物残渣が自動制御のコンベアによってオズマニック(加圧混練装置)に送られたあと、オズマニック(加圧混練装置)では剪定枝チップ、オガクズ等と一緒に加圧、混練処理が行われます。この処理により、食物残渣は目に見えないほど薄い皮膜となって、剪定枝チップ、オガクズ等を覆います。その後の工程で発酵・分解されやすいように薄い皮膜となってオズマニック(加圧混練装置)から排出された時点で、食物残渣独特の異臭はすでにありません。
2.排水、排ガスを出さない
食物残渣の85~90%は水分と言われています。そのため、多くの食物残渣処理工場では、大型の排水処理設備が導入されており、メンテナンスやコスト面に苦労されていると聞き及んでいます。八王子バイオマス・エコセンターでは、食物残渣(含水率85~90%)のほかに剪定枝チップ、オガクズ等(含水率30%程度)を使用します。そのため、オズマニック(加圧混練装置)を通過するころには、発酵に適した水分率(50~60%程度)になります。この方法により、含水率の多い食物残渣の処理にともなう排水を出すことなく、堆肥へのリサイクルを可能としています。
3.処理可能な原料の幅が広い
一般的な食物残渣処理工場では、魚や牛豚鳥の骨、貝類などは受入れ不可としていますが、八王子バイオマス・エコセンターでは、オズマニック(加圧混練装置)の処理能力を活かし、魚や牛豚鳥の骨、貝類なども受け入れ可能としています。さらに、それらを受け入れても、オズマニック(加圧混練装置)を通過するころには、一定の状態に前処理されるため、堆肥品質のバラツキなどに悪影響を与えません。
4.高い処理効率
1日で最大80トンの食物残渣を連続稼働で処理する能力があるため、効率の良い工場運営を可能としています。
5.自動制御で省エネ、低コスト
原料受入れからオズマニック(加圧混練装置)の制御、さらにハーズコンポ(発酵攪拌機)の制御まで、すべて自動制御となっているため、高い作業効率を保っています。また、使用する動力は電気のみで、ガスや燃料は一切使用しません。そのため、管理がしやすく省エネかつ低コストな工場運営を実現しています。
オズマニック(加圧混練装置)によって前処理された発酵前堆肥が、発酵するための準備を整えた状態で、次の主要装置であるハーズコンポ(発酵攪拌機)へ送られます。